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”のれん”の扱いについて [感想]

2022/05/28 日経新聞より。

のれんは、企業買収の時に、買収した会社の純資産よりも高い価格で買収すると生じる。だいたい、企業を買収するときは何らかのメリットがあるから買うわけで、のれんが生じるのが普通だ。

のれんの扱いは、日本と国際会計基準では異なる。日本では、20年で償却しなければならない。国際会計基準では、収益力が当初より低下したときに減損処理という形で簿価を切り下げる。収益力が維持されるなら、簿価は買収当時のままである。

国際会計基準だと、不景気になると、多額の減損処理が行われる可能性がある。そこで日本のような定期的な償却が必要ではないかという議論がある。

秋にルール改定の採決が行われるらしい。

日本では、日本の法令に基づき償却を行うところと、国際会計基準の基づき償却を行わない企業の両方がある。

最近の金余りで、企業買収が盛んだから、のれんも増えている。日本の企業で、国際会計基準に基づき、のれんを計上しているものは、31兆円ある。

これを日本の法令に基づき、20年で償却するとすると、毎年1兆5500億円、利益が下押しされる。影響は大きい。

多額ののれんを計上している企業のリストが載っているが、この記事で、売り込まれる可能性がある。

なんで、5月も押し迫ったこの時期にこういう記事を出したのか。5月末は指数入替えもあり、相場は弱いときである。このタイミングで、こういう記事を出すとは。日経は時たま相場を攪乱するような記事を出すね。
タグ:のれん

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