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DVD「果てしなき情熱」(市川崑) [感想]

市川崑監督の「果てしなき情熱」を見た。1949年の作品。

戦後のこの時期の映画を無性に見たくなった。自分が育った風景を思い出したかったからだ。もっともおおかたは安アパートとキャバレーの場面だった。

こういう古い映画を見ると、スタッフがいつ死んだのかが気になる。70年前の映画だから、ほとんどの人は死んでいるわけだ。

市川崑監督は2008年に死んでいる。来年で死後十年というわけだ。
脚本の和田夏十(市川崑の奥さん)は1983年。早くに死んでいる。

主演の堀雄二は1979年。堀雄二というと、映画よりもテレビドラマの「七人の刑事」の方が記憶に残る。お相手は、月丘千秋で月丘夢路の妹だ。1985年に死んでいる。笠置シヅ子は同じく1985年。堀雄二のあこがれの人・折原啓子はまだ生きている。名前を聞いて思い出せる人は少ないだろうが。

市川崑監督は当初はプログラム・ピクチャーを監督していたわけだが、少しは才気を感じさせる場面もある。

それにしても、ストーリーが…。見るのがつらい。時代の変化をまざまざと感じる。作曲家が主人公だが、五線譜に書いては破り捨てるという、苦悩の場面はパターン的だ。実際の作曲家はああいうことは五線譜を破ることはしないそうだ。

もっとも、今は紙ではなく、パソコンだ。破り捨てることができない。削除すればいいのだ。

戦後のこの時期のメロドラマの主人公はウジウジした男ばっかりだね。見ていて嫌になる。題名とは裏腹だ。
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