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DVD「洲崎パラダイス」 [感想]

川島雄三が監督した「洲崎パラダイス」を見る。主演は、三橋達也と新珠三千代。

1956年の作品である。売春防止法は既に成立したが、まだ法律が施工される前の時代である。

赤線と言えば、なんといっても吉原が有名で、いまでもソープ街として広く知られている。吉原と並ぶ赤線地帯が洲崎だった(らしい。)州崎パラダイスと呼ばれた。

洲崎パラダイスのあったところは、木場の近く、今の東陽町であり、洲崎の名前は消えてしまった。名を残しているのは洲崎神社ぐらいだろう。昔の面影を残す建物はないという。住宅地になってしまったらしい。

この映画の主題は、男女の腐れ縁といったところか。三橋達也はダメ男を演じている。生きる意欲があるのかないのか、ハッキリしない。こういう男は、今でも多くいる。相手が、新珠三千代で、元娼婦で、生活力がある。

ダメ男に勝気な女という組み合わせは、「夫婦善哉」を思い起こさせる。分らんのは、どうしてこういうダメ男と女が別れられないのか、ということだ。

色々いきさつがあっても、結局、男と女は二人、どこかへ去ってしまう。まるで根無し草だなと思う。

この映画の取り柄は現地ロケが多いこと。1956年当時の東京の下町の風景が貴重だ。冒頭は隅田川で、まだ護岸工事が始まる前だ。川の表情が違う。
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