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小泉和裕=神奈川フィル演奏会 [感想]

2021/10/23 14時~ 川崎ミューザで、小泉和裕指揮で神奈川フィルの演奏会を聴く。

演奏曲目は、モーツァルトの交響曲第40番とチャイコフスキーの交響曲第5番。オーソドックスなプログラムである。

前日(22日)に小林研一郎=読響のチャイコフスキーの交響曲第5番を聴いたのだから、2日連続で第5番を聴くことになった。比較しやすい。

オケの実力から考えて、神奈川フィルはハンデがある。どの程度の演奏になるのかと、やや不安だった。

結論を言うと、遜色のない出来映えだった。ヴォリューム感といい、アンサンブルといい、読響に劣らない。粗探しをすれば、やや艶がなかったかという程度。小泉和裕の統率力があったからかもしれない。

小泉和裕は保守的なプログラムを組む。最近は前半に珍しい曲を入れるのが流行っているが、見向きもしない。考えようによっては、これが勇気にいることである。現代は、常に新しいものを求めようとする。保守的であるのは臆病と思われがちだからだ。

チャイコフスキーの第5番は、堅実な演奏だった。オケが拙ければ凡庸な演奏になったかもしれないが、神奈川フィルは期待にこたえた。地味な演奏だったかもしれないが、底力を感じた。いぶし銀の魅力で、長く感動が残った。

ちなみに、神奈川フィルのホルンの首席奏者は、坂東裕香という女性で、艶っぽい音を出す人だ。第2楽章冒頭のホルンの独奏は、今まで聴いた日本のオケでもっとも良かったと思う。



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